おすすめの英語多読本「Henry Ⅷ AND HIS SIX WIVES」
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Oxford Univ Pr
発売日 : 2008-03-30
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総語数 6,070
これもイギリス史の話です。
「事実は小説より奇なり」とは、まさにこの王の生涯に他なりません。
1547年、ひと月前に夫であるヘンリー8世を亡くして未亡人となった六番目の妻、Catherine Parrが 年若くて好奇心旺盛なメイドのMargaretと共に歴代の5人の先妻たちが夫に宛てた手紙を発見して物語が進行していきます。
ヘンリー8世は精力的な王で、後世に息子を残すために何人も妻を入れ替えます。
そのため、国の宗教を変えたり、元妻を処刑したり・・・。
中には笑ってしまう方法で妻を選び、大いに後悔することに。
夫としては最悪な男性ですが、これも国や民のためだったのでしょうか。
これだけの複雑な歴史を、史実に基づいたストーリーを交えながら平易な英語で最後まで読者を飽きさせず、よくここまでスッキリまとめられたものだと感心します。
“Divorced(離婚)- beheaded(打ち首)-died(死亡)- divorced - beheaded -- And still alive!” というMargaretのセリフが、歴代の妻たちの末路を順に、そして簡潔に示していて印象的でした。
面白いというより、記憶に残る一冊です。
あれほど息子を熱望していて6人も妻を迎えた王でしたが、生き残った病弱な一人息子は即位後にすぐ死亡。
エリザベスが一生独身で通したのも、妻であり自分の母親を幽閉して処刑したこの父親の影響が大いにあったのかもしれません。
去年、イギリスに行った時、夜に3番目の妻 Anne Boleyn(エリザベス1世の母)と5番目の妻 Katherine Howardが幽閉されていたロンドン塔の横を通りがかりました。
(二人共、その後 Henry8世の命でここで処刑されています)
今でもここでは自分の首を抱えたAnne Boleynの幽霊が出るとか出ないとか・・・?
イギリスの歴史は血なまぐさいものが多いですが、人間の本質は昔も今も変わらない・・・だからこそ多くの人が魅かれるのかもしれません。
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(特にOxford Bookworms Libraryシリーズにはご注意ください)
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